US SQUARE
US SQUARE

アメリカ旅行に海外旅行保険は必要?医療費は入院1回で数百万円〜1千万円【外務省データ】

アメリカでの入院は1回で数百万円〜1千万円になることも。外務省の医療事情データと公的資料をもとに、医療費の目安と海外旅行保険の選び方をまとめました。

アメリカ旅行や出張で心配になるのが、「もし現地で病気やケガをしたら、いくらかかるのか」「海外旅行保険は本当に必要なのか」という点です。日本の感覚で考えると驚くほど高額になるため、外務省が公表している「世界の医療事情」と、米国の医療費を継続的に分析しているKFF(カイザー家族財団)の公開データをもとに、費用の目安と備え方を整理しました。

※ 本ページは2026年11月1日時点で確認した公開情報にもとづく一般的な解説です。保険商品の内容・保険料・補償額は会社やプランで異なるため、特定の商品をすすめるものではありません。加入前に必ず各社の約款・重要事項説明書を確認してください。為替は1ドル150円の目安で計算しています。

数百万〜1千万円
病気・ケガで1回入院した場合の覚悟
外務省「世界の医療事情」(ニューヨーク)
$1万〜2万
入院費の例(1日あたり)
約150万〜300万円/日(1ドル150円)
$1,000超
専門医の診察費の例
マンハッタンでは約15万円を超えることも
$646
救急外来1回の自己負担(平均)
米国の民間保険加入者の2019年データ(KFF)

アメリカの医療費は、なぜ日本の感覚で考えてはいけないのか

外務省の「世界の医療事情」(アメリカ合衆国・ニューヨーク、令和6年10月1日付)は、米国の医療費は非常に高額と明記しています。ニューヨーク市マンハッタン区の医療費は区外の2倍から3倍ともいわれ、専門医の診察費が1,000ドル(約15万円)を超えることがあります。入院した場合は、室料だけで1日あたり数千ドル、入院費全体では1日あたり1万〜2万ドル(約150万〜300万円)に及ぶこともあるとされています。

さらに、治療費は診察料、施設利用料、血液検査代、画像検査代、薬品代などがそれぞれ別々に請求されます。そのため、最終的な請求額が受診時には分かりにくいのも特徴です。外務省は、病気やケガなどで1回入院するだけで数百万円から1千万円になることを覚悟するよう案内しています。

救急車(911)についても注意が必要です。外務省によると、救急隊(EMS)による搬送は有料で、到着に時間がかかる場合もあるため、状況によっては救急外来へ直接出向くことが勧められています。出典:外務省 世界の医療事情「アメリカ合衆国(ニューヨーク)」。

保険に入っていても、救急外来1回で平均$646の自己負担

KFFとPeterson-KFF Health System Trackerの分析によると、大企業の民間医療保険に加入している米国人でも、救急外来(ER)1回あたりの自己負担額は平均で646ドル(約9.7万円、2019年の保険請求データ)でした。費用は診断の内容や重症度、地域によって大きく変わります。

これは米国の保険に入っている人の数字です。旅行者は米国の医療保険を持たないのが一般的なので、治療費の請求が全額かかる前提で備えておく必要があります。米国の医療費・無保険率の全体像は医療費・無保険者率のページも参考になります。出典:KFF — Emergency Department Visits Exceed Affordability Threshold。

医療費の目安(円換算)

外務省の案内にある金額を、1ドル150円で換算した目安です。為替レートは日々変わります。

項目米ドル日本円の目安
専門医の診察費(マンハッタン)$1,000超15万円超
入院の室料(1日)数千ドル数十万円〜
入院費全体(1日)$10,000〜$20,000約150万〜300万円
1回の入院(病気・ケガ)—数百万円〜1千万円
救急外来1回の自己負担(米国の保険加入者・平均)$646約9.7万円

※ 実際の請求額は州・都市・病院・治療内容で大きく異なります。ここに示したのは公的機関が公表している目安で、請求額を保証するものではありません。

日本の健康保険「海外療養費」でどこまでカバーされる?

日本の健康保険には、海外旅行中などに急な病気やケガで現地の医療機関にかかった場合に、申請すると一部が払い戻される「海外療養費」という制度があります。ただし、協会けんぽの案内によると、支給額は日本国内の医療機関で同じ傷病を治療した場合の費用を基準に計算した額から、自己負担相当額を引いた額です。

日本と海外では医療体制や治療方法が違うため、海外で実際に支払った額から自己負担分を引いた額よりも、支給額が大幅に少なくなることがあると明記されています。また、治療を目的に海外へ渡航した場合は対象外で、申請から支給まで通常数か月かかり、支払った翌日から2年で時効になります。つまり、アメリカで高額な請求が来たときの差額は、基本的に自己負担になります。出典:協会けんぽ — 海外療養費。

海外旅行保険を選ぶときのチェックポイント

外務省の案内をふまえて、アメリカ旅行・出張で保険を選ぶときに確認しておきたい点をまとめます。特定の保険会社や商品をすすめるものではありません。

1. 治療費用の補償額は十分か

外務省は「十分な補償額」の海外旅行傷害保険への加入を勧めています。入院1回で数百万円〜1千万円という目安を踏まえ、治療・救援費用の限度額が大きく不足しないかを確認してください。

2. 1つの病気・ケガあたりの支払限度(金額・期間)

外務省は、1疾患についての支払いの限度(金額や期間)にも留意するよう案内しています。長引く治療では、限度額に達する可能性があります。

3. キャッシュレス診療の対応と、受診前の連絡

外務省は、治療を受ける前に、加入している保険会社へ事故の連絡を入れ、医療機関名だけでなく、現地で治療を受ける必要があるかどうかについてもアドバイスを求めてから受診するとよい、としています。キャッシュレスサービスは便利ですが、知らないうちに限度額を超えていたという報告もあるため、使うたびに治療内容と請求額を保険会社に確認してください。

4. クレジットカード付帯保険の内容

クレジットカードに付いている海外旅行保険は、補償額・対象になる条件・期間がカードごとに違います。「治療費用の上限」「適用される条件」を、旅行の前に自分のカードの案内で確認しておくと安心です。

5. 渡航前の手続きもあわせて確認

電子渡航認証ESTAの費用はESTAの申請料金のページ、入国時の免税範囲や現金の申告ルールはアメリカ入国の税関ルールで解説しています。長期の留学ではアメリカ留学の費用も確認してください。

世界の視点:日本の医療費との違い

日本は国民皆保険で、公的医療保険に加入していれば窓口での自己負担が原則として医療費の一部で済み、診療ごとの請求額が国内の基準で決まっています。一方、アメリカの旅行者は現地の公的な医療保険を使えず、病院ごとに設定された価格で請求されるのが一般的です。外務省が「帰国して診療を受けた方がよいケースもある」と案内しているのは、この価格差が大きいためです。

緊急性が低く、事情が許すなら、航空運賃を負担しても日本に帰国して診療を受けた方がよいケースもある、というのが外務省の見解です。ただし、命にかかわる緊急時にまで帰国を待つことはできません。だからこそ、出発前に補償額の十分な海外旅行傷害保険に入っておく意味があります。

よくある質問

アメリカ旅行に海外旅行保険は必要ですか?

外務省の「世界の医療事情」(アメリカ・ニューヨーク、令和6年10月1日)は、米国の医療費は非常に高額で、渡航前に十分な補償額の海外旅行傷害保険に加入して備える必要があるとしています。病気やケガで1回入院すると、数百万円から1千万円になることを覚悟するよう案内されています。

アメリカで入院するといくらかかりますか?

外務省によると、入院費は1日あたり1万〜2万ドルに及ぶこともあり、室料だけでも1日数千ドルかかります。1ドル150円で計算すると、1日あたり約150万〜300万円です。診察料・施設利用料・検査代・薬代などが別々に請求される点にも注意が必要です。

アメリカで救急車(911)を呼ぶと有料ですか?

外務省は、アメリカでは救急隊(EMS)による搬送は有料と案内しています。症状が重くなく、到着までに時間がかかりそうな場合は、救急外来に直接出向くことも勧められています。

日本の健康保険で海外の医療費は戻ってきますか?

協会けんぽの案内では、海外旅行中などに急な病気やケガで現地の医療機関にかかった場合、申請により一部が払い戻される「海外療養費」という制度があります。ただし、日本国内の治療費を基準に計算した額から自己負担分を引いた額が支給されるため、アメリカで実際に支払った額より大幅に少なくなることがあります。治療を目的とした渡航は対象外です。

キャッシュレス対応の保険なら限度額は気にしなくていいですか?

外務省は、キャッシュレスサービスは便利な一方で、知らないうちに保険の限度額を超えていたという報告があると注意を促しています。保険を使うたびに、治療内容と請求額を保険会社に確認することが勧められています。