アメリカに入国するとき、飛行機の中で配られる(または空港で入力する)のが税関申告書(CBP Form 6059B)です。「お土産はいくらまで?」「現金はいくらまで持ち込める?」「食べ物や薬は大丈夫?」といった疑問に答えるため、米国税関・国境取締局(CBP)の公式申告書をもとに、観光・出張で入国する日本人が押さえておきたいルールをまとめました。
※ 本ページは2026年10月24日時点で確認した公開情報にもとづく一般的な解説です。ルールは変更されることがあり、個別の判断は入国時のCBP職員が行います。出発前にCBP公式サイトでも確認してください。
税関申告書(CBP Form 6059B)で聞かれること
申告書は1家族につき1枚で、署名と日付が必要です。次のような品目を持っているかどうかを質問されます。「はい」に該当するものを持っている場合は、必ず申告してください。申告しなかった場合、罰金や没収の対象になります。
| 質問項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 果物・野菜・植物・種・食品 | 生鮮品、植物製品、食べ物全般。持ち込みが制限されるものがある |
| 肉・動物・野生動物製品 | 肉類、肉製品、鳥、動物由来の製品 |
| 病原体・細胞培養・カタツムリ | 研究用の試料など |
| 土・農場や牧場への訪問 | 靴の土も対象になりうる。家畜に近づいた場合も質問される |
| 商用品 | 販売目的の品物、注文を取るための見本品など、個人の持ち物でないもの |
| 現金・金融証書 | 合計$10,000(外貨換算を含む)を超える場合 |
免税範囲:訪問者は$100、居住者は$800
CBPの申告書では、訪問者(非居住者)の免税額は100ドル、米国居住者は800ドルとされています。対象は、本人が持って入国する品物(訪問者は米国に残る品物)で、ギフトも小売価格で米ドルに換算して申告します。
| 入国する人 | 免税額 | 対象 |
|---|---|---|
| 訪問者(日本から旅行・出張で入国) | $100 | 米国に残す品物(現地の人へのお土産など) |
| 米国居住者(在住日本人の一時帰国後など) | $800 | 海外で取得した品物(他人へのギフトを含む) |
免税額を超えた分には関税がかかります。申告書によると、免税額を超えた最初の1,000ドルまでは一律の税率で課税され、最終的な金額はCBP職員が決定します。自分用の衣類や身の回り品、旅行中に使うカメラやノートPCなどは、通常は「米国に残さない持ち物」であり、免税額の対象になる贈答品・購入品とは扱いが異なります。判断に迷う高額品は、申告して職員に確認するのが確実です。
現金はいくらまで?$10,000を超えたら申告
アメリカに持ち込める現金の金額に上限はありません。ただし、現金・旅行小切手・その他の持参人払いの金融証書(株券・債券を含む)の合計が1万ドル(米ドルまたは外貨換算、またはその組み合わせ)を超える場合は、FinCEN 105による報告が必要です。
他の人に代わって運んでもらう場合も同じ扱いで、報告しなかったり少なく申告したりすると、資金の押収、民事上の罰則、刑事訴追につながる可能性があります。複数人で分けて持ち込むなど、報告を免れるための行為は避けてください。1万ドルは為替によりますが、日本円でおよそ150万円前後です。
お酒・たばこの持ち込み(目安)
CBPの申告書自体には、お酒・たばこの免税枠は明記されていません。一般には、21歳以上の訪問者は個人使用の酒類1リットルまで、たばこは紙巻200本(1カートン)や葉巻50本までが免税の目安とされています(法律情報サイトの解説による。2017年更新の情報のため、最新の数字はCBPに確認してください)。州が独自に厳しい上限を定めている場合はそちらが優先されます。キューバ産の葉巻は、個人使用でも原則として持ち込めません。
アメリカ国内の酒税・たばこ税については酒税・たばこ税のページで、州ごとの違いを解説しています。
食品・薬・持ち込めないもの
食品・植物
果物・野菜・植物・種・肉類・肉製品などは、病害虫や動物の病気を持ち込むおそれがあるため、制限や申告義務があります。日本から持参したお菓子・インスタント食品も、肉や肉エキスを含むものは確認が必要です。迷ったら「持っている」として申告するのが安全です。
医薬品
持病の薬は、元の容器のまま、渡航中に必要な量だけ持ち込むのが一般的な目安です。処方箋または医師の書面(その薬が医師の指示のもとで使われ、渡航中に必要であることを示すもの)を携帯し、税関では申告してください。麻薬などの規制薬物は原則として持ち込めません。薬の種類によっては持ち込みが制限される場合があるため、事前にCBPや主治医に確認しましょう。海外の医療費については医療費・無保険率のページも参考になります。
持ち込みが禁止・制限されるもの
申告書では、規制薬物、わいせつ物、有害物質などは原則として禁止とされています。商標や著作権を侵害するもの(偽ブランド品など)は、民事・刑事の罰則の対象になることがあります。
世界の視点:日本入国時の免税範囲と比べる
日本に入国する場合の免税範囲は、日本の税関が公表しています。アメリカは訪問者の免税額が$100と少額な一方、日本は海外市価の合計20万円までの「その他の品物」が免税です。逆に、アメリカは現金の持ち込みに上限がなく、$10,000超の申告が基準になります。
| 項目 | アメリカ入国(訪問者) | 日本入国(一人あたり) |
|---|---|---|
| 品物の免税枠 | $100(米国居住者は$800) | 海外市価の合計20万円まで |
| 酒類 | 一般に21歳以上で1リットル(目安) | 3本(1本760ml) |
| 紙巻たばこ | 一般に200本(目安) | 200本 |
| 葉巻 | 一般に50本(目安) | 50本 |
| 年齢制限 | 酒類は21歳以上 | 酒類・たばこは20歳以上 |
日本の免税範囲には、加熱式たばこ(個装等10個まで)や香水(2オンスまで)の枠もあります。出典:日本税関 — 日本入国時の免税範囲/CBP — Form 6059B。日本帰国時や海外通販の関税は関税スクエアで詳しく解説しています。
よくある質問
アメリカに入国するとき、現金はいくらまで持ち込めますか?
持ち込める金額に上限はありません。ただし、現金・旅行小切手などの合計が1万ドル(米ドルまたは外貨換算)を超える場合は、FinCEN 105(国境を越える通貨等の報告書)による申告が必要です。他人が代わりに運ぶ場合も同様で、申告しないと資金の押収や罰則の対象になります。
アメリカ入国時の免税範囲はいくらですか?
CBPの税関申告書(Form 6059B)では、訪問者(非居住者)の免税額は100ドルとされています。米国居住者が海外で購入した品の免税額は800ドルです。免税額を超えた分は課税対象になり、最初の1,000ドルまでは一律の税率で課税されます(最終的な金額はCBP職員が判断します)。
お土産やプレゼントも税関で申告が必要ですか?
アメリカに残る品物(訪問者が現地の人へ渡すお土産など)は申告の対象です。贈り物は小売価格で、米ドルに換算して申告します。1家族につき申告書は1枚で、署名と日付が必要です。
食品やお菓子はアメリカに持ち込めますか?
果物・野菜・植物・種・肉類・肉製品などは制限があり、申告が必要です。申告書は食品を持っているかどうかを質問しており、申告しなかった場合は罰金や没収の対象になります。迷ったときは申告するのが安全です。
薬を持ち込むときの注意点は?
薬は元の容器のまま、渡航中に使う分だけを持ち込み、処方箋または医師の書面を携帯するのが一般的な目安です。麻薬などの規制薬物は原則として持ち込めません。具体的な薬は事前にCBPや主治医に確認してください。
入国前の手続きはESTA申請のページ、旅行中のチップの相場はチップ文化のページ、アメリカに住む日本人の状況は在住日本人数のページもあわせてご覧ください。