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アメリカ株の配当金にかかる税金は?米国10%+日本20.315%の手取り計算

アメリカ株の配当は、米国と日本の両方で課税されます。配当$100(1ドル150円で15,000円)を受け取ると、手取りは約10,757円。税金の仕組みと、W-8BEN・外国税額控除・NISAでの扱いを、証券会社の公式情報とIRS・国税庁の資料をもとに整理しました。

10%
米国の源泉税(日米租税条約)
W-8BEN提出済みの場合
20.315%
日本の源泉税(所得税15.315%+住民税5%)
米国課税後の90%に対して
約28.3%
合計の実質税率
10%+90%×20.315%
30%
W-8BEN未提出の場合の米国源泉税
国内法の税率になる場合あり

配当金が入金されるまでの税金の流れ

三菱UFJ eスマート証券の公式案内によると、米国株の配当金はまず米国で10%が源泉徴収され、差し引かれた金額に対して日本国内でも20.315%が源泉徴収されたあと、米ドル建てで証券口座に入金されます。米国と日本の両方で課税されるため、二重課税になる点が日本株との大きな違いです。

日本の源泉税の計算に使う為替レートは、現地保管機関への入金日の午前10時時点の対顧客電信買相場(TTB)です。実際の手取り円額は、為替によって上下します。

手取りの計算例:配当$100(15,000円)の場合

1ドル=150円、特定口座(源泉徴収あり)で配当$100を受け取る場合の計算例です。

項目ドル円換算(150円)
配当金(税引前)$100.0015,000円
米国の源泉税(10%)−$10.00−1,500円
日本の源泉税(残り$90×20.315%)−$18.28−約2,743円
手取り(課税口座)約$71.72約10,757円
手取り(NISA口座)$90.0013,500円

税引前の配当に対する合計の税負担は約28.3%です。NISA口座で受け取ると日本の20.315%は非課税になりますが、米国で課される10%は引かれます。

W-8BENとは?出さないと米国の税率が30%になることも

W-8BENは、米国の税務上の「非居住者」が租税条約の軽減税率を受けるために提出する書類です。日本居住者が提出すると、米国の配当源泉税は国内法の30%ではなく、日米租税条約の10%になります(IRSの租税条約表に基づく一般的な個人投資家の税率)。

多くの日本の証券会社では、外国株口座の開設時に電子的な手続きで提出する流れになっています。W-8BENには有効期限があるため、期限が近づいたら証券会社の案内に従って更新してください。なお、ADR銘柄は現地課税分が10%以外になる場合があると、証券会社も注意しています。

出典:IRS Form W-8BEN、IRS Tax treaty tables

外国税額控除で米国の10%を取り戻せる?確定申告が必要なケース

米国で課された10%と日本の20.315%は、二重課税になっています。この二重課税を調整するのが外国税額控除で、外国で払った税額を日本の所得税や住民税から差し引けます。

ただし、外国税額控除を受けるには確定申告が必要で、総合課税または申告分離課税を選ぶ必要があります。配当が源泉徴収で完結する場合、確定申告は必須ではありません。確定申告が必要になる主なケースは次の2つです。

目的確定申告注意点
外国税額控除を受けたい必要NISA口座の現地課税分は対象外
譲渡損との損益通算をしたい必要特定口座の損益と配当を合算できる場合がある
上記のどちらも不要不要(源泉徴収で完結)—

控除の限度額や、申告分離・総合課税のどちらが有利かは、所得の状況によって異なります。判断に迷う場合は税務署や税理士に相談してください。

出典:三菱UFJ eスマート証券「米国株式 配当金について」、国税庁 タックスアンサーNo.1240 外国税額控除

NISAで受け取るとどうなる?米国の10%は残る

NISA口座(新NISAを含む)で受け取る米国株の配当は、日本国内の課税(20.315%)が非課税になります。一方で、米国で課される現地課税分(原則10%)は非課税にならず、外国税額控除の対象にもなりません。

そのため、配当$100をNISAで受け取ると手取りは$90、課税口座では約$71.72になる計算です。配当を再投資する前提では、この差が長期の複利で効いてきます。

株を売ったときの税金(譲渡益)は?

配当とは別に、米国株を売却して利益が出たときは、日本の特定口座なら譲渡益に20.315%が課税されます。米国の非居住者が受け取る株式の譲渡益は、一般に米国では課税されないため、日本での課税が中心になります。為替の変動による差益(為替差益)も、日本では課税対象になる点に注意が必要です。

損失が出た年は、確定申告で配当との損益通算や、翌年以降3年間の繰越控除が使えます。

世界の視点:アメリカ居住者と日本居住者の配当課税の違い

同じアメリカ企業の配当でも、受け取る人の居住地によって税金は大きく変わります。

受け取る人配当にかかる主な税金
アメリカ居住者一定の条件を満たす「適格配当」は、所得に応じて連邦税率0%・15%・20%の3段階(IRS)。州によっては州税も加わる
日本居住者米国で10%+日本で20.315%(課税口座の場合、実質約28.3%)
租税条約のない国の居住者米国の国内法の30%が源泉徴収される

アメリカ居住者は所得が低ければ適格配当が0%で済む一方、日本居住者は所得にかかわらず一律の税率が課されます。租税条約の税率は国によって異なり、日本は条約で10%に軽減されています。自分に当てはまる税率は、IRSの租税条約表で確認できます。

出典:IRS Topic No. 404 Dividends

よくある質問

アメリカ株の配当金にかかる税金はいくらですか?
日本居住者が特定口座・源泉徴収ありで受け取る場合、まず米国で10%が源泉徴収され、残りの90%に対して日本で20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されます。合計の実質税率は約28.3%です。
W-8BENを出さないとどうなりますか?
W-8BENを提出していないと、米国の源泉税が租税条約の10%ではなく国内法どおりの30%になる場合があります。多くの証券会社は口座開設時に提出手続きがあり、有効期限が切れる前に更新が必要です。
外国税額控除を受けるには確定申告が必要ですか?
必要です。配当の源泉徴収だけで完結する場合は確定申告は不要ですが、米国で課された10%分を日本の税金から差し引く外国税額控除を受けるには、確定申告をして総合課税または申告分離課税を選ぶ必要があります。
NISA口座で受け取ると米国の税金はかからなくなりますか?
なりません。NISAの配当は日本国内の課税(20.315%)は非課税ですが、米国で課される現地課税分(原則10%)は非課税にならず、外国税額控除の対象にもなりません。

あわせて読みたい

アメリカの税金の全体像は、州別の消費税と州別の所得税のページで解説しています。アメリカ現地での物価は生活費のページもご覧ください。

※本ページは一般的な情報の提供を目的としており、投資の推奨や個別の税務アドバイスではありません。税率や制度は変更されることがあるため、最新の情報は証券会社・国税庁・IRSの公式情報でご確認ください。個別の申告は税務署または税理士にご相談ください。